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私は目が覚めて、時計に目をやる。
今の時間は7時ピッタリだった。
3日間程度のブランクでは、私の習慣は狂ってはいなかったようだ。
私は朝食を食べるために、キッチンへと向かおうとした。
……トントン……
来訪者を告げる家の扉が叩かれる。
私はその来訪者を迎えるために、玄関へと向かった。
「はーい。今開けますね」
……ガチャ……
そこには赤い髪の西都さんが立っていた。
「おはようございます。憐香さん」
笑顔で挨拶する西都さんに私は笑顔で返した。
「はい。おはようございます西都さん。中へどうぞ」
そして西都さんを中へ招き入れ、一緒にキッチンへと向かった。
「昨日は作ってもらったから、今日は私が食事を作ります。座って待っていてください」
私がそう言うと、西都さんは私に向かって反論する。
「いや、僕が作ります。そういう約束でしたからね」
「それは西都さんに悪いですから私が作るって言ってるんです!」
私は声を上げて言った。
「……気にしなくていいですよ。……それに憐香さん?朝から叫ばないでください。耳が痛い……」
何故か言い合いになり、私は諦めて西都さんに朝食を任せることにした。
「はぁ……わかりました。じゃあ、このエプロンをつけてください」
そのエプロンを渡されて見た瞬間、西都さんの顔色は真っ青になった。
「……なんですかこのメルヘンチックなエプロンは?」
私は何で西都さんがエプロンのデザインについて聞くのか不思議に思った。
ただの可愛いクマさんのエプロンなのだが。
「……何か不満でも?」
「……別にいいんですが……すいません憐香さん。……今日は憐香さんが食事を作ってください……」
そして西都さんからエプロンを返される。
―――何がいけないんだろ?可愛いエプロンなのに……
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