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西都さんが買い物に出掛けてから二時間が経った。
さすがに量が多かったのか、随分と時間がかかっている。
―――もう……何やってるのかな……遅いよ。
私が心の中でぼやいていると、玄関の扉が開く音とともに、西都さんが帰ってきたことを告げた。
「只今戻りました」
私は「お帰りなさい」と言いながら西都さんを迎えに行くと、あまりの状態に絶句する。
「……大丈夫ですか西都さん!?」
西都さんの両手には大量の買い物袋を持っていて、背中には米を入れたリュックを西都さんが必死な表情で背負っている。
「……平気です。それよりコレを見てください!」
そして西都さんは一つの買い物袋からあるものを取り出した。
「じゃーん。僕のエプロンでーす!」
西都さんは私にエプロンを見せる。
エプロンの色はシンプルに白で、お日様マークの刺繍が入っていた。
「これで憐香さんの役に立てますね!」
西都さんの無邪気な笑顔に私は不覚にも可愛いと思ってしまった。
―――まぁ、本人にそんなことを言ったら怒るだろうけど……
「よーし!それじゃあお昼は任せてください!」
「わかりました。よろしくお願いします西都さん。」
そして二人でキッチンへと向かっていった。
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