1.悲しき知らせ

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「あっ……すみません。"黒条憐香(コクジョウ レンカ)"さんのご自宅ですかね?」 そこには一人の青年が立っていた。 「えっ?あっ……はい。そうですけど何かご用ですか?」 その青年は美しい程の容貌で髪は鮮やかな赤、瞳は澄んだ黒色だった。 「えっと、僕は"西都 紅月(サイト クゲツ)"といいます。私は元軍人で、今日はあなたのお父さんに頼まれて、ある物を届けに参りました」 身分証明書を私に見せながら言う。 「えっ?父が……」 私は西都さんの言ったことに驚き、声を上げる。 「はい。お亡くなりになりましたあなたのお父さんから預かった物です」 そして西都さんは、懐からある物を取り出し、私に渡した。 「これは……父が大事にしてた死んだ母のペンダント……」 父が生きていた頃に毎日のよう持っていたペンダントであった。 「それとあなたのお父さんから遺言がありまして……少し長くなりますがよろしいですか?」 私はペンダントを受け取りながら、家の中に入るように言う。 「わかりました。……中へどうぞ……」
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