24人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ……すみません。"黒条憐香(コクジョウ レンカ)"さんのご自宅ですかね?」
そこには一人の青年が立っていた。
「えっ?あっ……はい。そうですけど何かご用ですか?」
その青年は美しい程の容貌で髪は鮮やかな赤、瞳は澄んだ黒色だった。
「えっと、僕は"西都 紅月(サイト クゲツ)"といいます。私は元軍人で、今日はあなたのお父さんに頼まれて、ある物を届けに参りました」
身分証明書を私に見せながら言う。
「えっ?父が……」
私は西都さんの言ったことに驚き、声を上げる。
「はい。お亡くなりになりましたあなたのお父さんから預かった物です」
そして西都さんは、懐からある物を取り出し、私に渡した。
「これは……父が大事にしてた死んだ母のペンダント……」
父が生きていた頃に毎日のよう持っていたペンダントであった。
「それとあなたのお父さんから遺言がありまして……少し長くなりますがよろしいですか?」
私はペンダントを受け取りながら、家の中に入るように言う。
「わかりました。……中へどうぞ……」
最初のコメントを投稿しよう!