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私は彼を家に入れ、客室へ行くように言った。
「どうぞこちらへ……」
「はい……すみません。急に来てしまって……ご迷惑でしたよね?」
彼は客室のソファーに座ると、私に問いかけてきた。
「そんなことないですよ。私は父が死んで、自暴自棄になっていましたから……」
私が彼を家に入れたのは、寂しかったからなのかもしれない。
「あっ!すいません。お茶を淹れてきますね」
私はそう言うと、ソファーから立ち上がった。
―――――その時
―――あれ?視界が……
私が立ち上がった瞬間、視界が揺れて目の前が真っ暗になった。
「大丈夫ですか!?」
倒れる寸前の私を抱きかかえる彼は、心配そうに言う。
「大丈夫です……」
「なに言ってるんですか!顔色が凄く悪いですよ!」
そう西都さんが言うと、私をもう一度ソファーへと座らせた。
「お茶なら僕が淹れてきます。だから無理はしないでください」
彼の必死な形相に私は驚きながら頷いた。
「は……い……」
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