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「……お話しするのはいいですが、一度休んでください。それからお話しします」
私は自分の体のことよりお父さんが残した遺言が気になっていた。
「私なら大丈夫です。……だから……」
「いいえ。私の話しより憐香さんの体の方が大事です。休んで頂けないと私は話しをすることができません……」
彼の意志の硬さに私は言うことを聞くしかなかった。別に休んでからでも遅くはないだろうと思い、彼の提案に頷いた。
「……わかりました。じゃあ少しの間だけ部屋で休みます……」
そして私は立ち上がったが、まだ足がふらついていて、歩くのがやっとだった。
「……部屋まで私が支えましょう。部屋は何処ですか?」
「えっ……」
私は彼の言った事に対して驚き、声を上げる。
私は自分の部屋に男性を入れたことなんて一度もなかった。
「……いや、けしてやましい気持ちはありませんから……」
彼は私の言いたいことに気づいたのか、顔を赤くして言う。
―――まぁ、今日会ったばかりなのだからそれはないか……
私は安心しながら彼に部屋まで運んでもらうことにした。
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