1.悲しき知らせ

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「……お話しするのはいいですが、一度休んでください。それからお話しします」 私は自分の体のことよりお父さんが残した遺言が気になっていた。 「私なら大丈夫です。……だから……」 「いいえ。私の話しより憐香さんの体の方が大事です。休んで頂けないと私は話しをすることができません……」 彼の意志の硬さに私は言うことを聞くしかなかった。別に休んでからでも遅くはないだろうと思い、彼の提案に頷いた。 「……わかりました。じゃあ少しの間だけ部屋で休みます……」 そして私は立ち上がったが、まだ足がふらついていて、歩くのがやっとだった。 「……部屋まで私が支えましょう。部屋は何処ですか?」 「えっ……」 私は彼の言った事に対して驚き、声を上げる。 私は自分の部屋に男性を入れたことなんて一度もなかった。 「……いや、けしてやましい気持ちはありませんから……」 彼は私の言いたいことに気づいたのか、顔を赤くして言う。 ―――まぁ、今日会ったばかりなのだからそれはないか…… 私は安心しながら彼に部屋まで運んでもらうことにした。
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