10.死の誓い

4/4
前へ
/81ページ
次へ
今僕はある家の扉の前に立っている。 「ここが……黒条さんの……」 そう、この家が黒条さんの娘さんが住んでいる家だ。 僕は数回深呼吸をし、冷静な態度で訪ねようとする。 ―――黒条さんが言っていた通り、落ち込んでいるのだろうか? それとも覚悟はしていただろうから、意外と普通に暮らしているのかもしれない。 そして僕は扉を数回ノックするが、何の反応がない。 ―――出てこないな。……寝てる? それとも、やっぱり塞ぎ込んでいるのかもしれない。 後者の方なら帰るわけにはいかなかった。 そして、もう一度ノックをする。 ―――出ない。 さらにもう一度ノックする。 しばらくすると、何やら階段を勢いよく駆け下りる音が聞こえてきた。 そういえば、黒条さんの娘さんはどんな容姿をしているのだろうか。 黒条さんは綺麗で優しい繊細な子と言っていた。 ―――確か……極度の可愛い物好きって言っていたような……。 「はい!なんですか!」 まさか出会い頭に怒鳴られるなんて思いもしていなかった。 ―――とりあえず……。 「あっ……すいません」 謝ることにした。 ………
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加