第一部 俺と杏子

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彼女と初めて出会ったのは、テニスサークルの新入生を祝うコンパだった。 サークルといっても、ほとんど活動はなく、仲のいいヤツがつるんで酒を飲みにいくだけのサークル。 そんなただ、騒ぎたい奴らのサークルのコンパに彼女はいた。 可愛いフリルの付いたワンピース。 腰まで延びた髪に、小さな赤いリボン。 俺の乏しい表現力で例えるなら…そう、フランス人形のように愛らしく可愛いかった。 歳は2つ下のハズなのだが容姿は…大学生のソレとは言えなかった。 彼女は周りにも溶け込めず、ちょこんと行儀良く座っている。 うつ向いて下を見ているいる姿は、いじらしく迷子の子犬のようだった。 そんな彼女に気付けば俺は声をかけていた。
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