第一部 俺と杏子

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…そして、今日に至ると。 こいつ、まだ寝てるよ… 目を覚ますことのない、眠り姫の頬をつついた。 幸せそうな顔をしやがって。 額に“肉”って書いてやりたいが、一度もの凄く怒られたので止めておこう。 どうやら、杏子は気付かず大学まで行ったらしい。 さすが天然。 …そして、今日も俺は台所へと向かう。 俺が朝食を作らない日は来るのか? そんな不安も、窓から入ってくる春の匂いが俺の心から消し去った。
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