少年ナンパ

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駅のホーム。 誰もいない待合室に、ため息がそっと響いた。 真っ暗に寝静まった町並み。 対抗して、明日になろうとしているにも関わらず煌々と照らされる駅。 次の電車が来るまで、あと40分もある。 そういうわけで当然人なんていない。 閑散としているのに明るいホームで、私は電車ではなくバスを待っていた。 発車時間まであと10分ある。 駅周辺のバス停にもベンチはあるけれど、治安が悪いから絶対そこで待ちたくない。 それだけの理由で改札を出ずに待合室に入り浸っている。 またため息が出た。 電車から降りてすでに10分経過したけれど、その間も今こうしてため息ついている間も頭はせわしなくいろいろ考え事をしていた。 ぽうっと浮かんだのは、今日のバイト先での出来事。
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