少年ナンパ

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私のバイト先は映画館。 ちょっと珍しいかもしれない。 劇場の入口で入場開始のアナウンスをしてチケットを切ったり、上映が終了したあと清掃に入ったりしている。 そんなに大変ではないけれど、常に2人以上のスタッフと一緒に働いている。 その日私はディスプレイの変更を任され、あれこれ作業しているうちに23時を過ぎてしまっていた。 きりの良いところで帰ろうと裏部屋に行った。 すると、いつも仲良くしている後輩が休憩室にいた。 すでに着替えていて、深夜のニュースなんか見てる。 「上がるの早いね」 「今日はラストじゃないんで」 「あ、そっか」 「てか先輩22時上がりでしょ?遅くないっすか?」 「あ、うん…いろいろ仕事あったから」 「先輩頑張ってますね。俺だったらほったらかして帰りますよ」 ふふっ、と笑ってジュースを冷蔵庫から取り出した。 一口飲んでテーブルに置く。 「さてと。着替えますか。」 そう言って休憩室を後にし、更衣室にこもった。
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