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ふとした瞬間に現れる本当の顔を見ることが出来るから・・・。 それは、会話が途切れたときや一人の時などによく見られる表情。 人間の素顔・・・。 闇だ。 扉が開き、私を押し出すように人間達が電車と言う小さな箱から溢れ出てくる。 私は人間達の波に揉まれながら改札がある、駅の一階に行くために階段を下りる。 一歩、一歩ゆっくり階段から下りる。 そうしながら自分の下にいる人間を見下す。 馬鹿みたいに大きな声で笑う人間。 はっきり言ってうるさい。 だけどこんな奴らにもきっと心の闇はあるはず。 どんな闇なんだろう? 改札を過ぎ駅の外に出る。 外は雨。 赤、青、安物の透明な傘。 人間達が傘をさす中私もそれに混じり真っ黒な傘をさす。 私の傘を雨が音を立てて流れ落ちる。 私はその音を聞きながら俯いて高校へ向かう。 登校中は人間観察はとりあえずやめる。
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