まだ だめ

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 一週間後のライブの為、練習を兼ねてスタジオに集まった海は、先にスタジオに到着しているはずの倫を探しながら、3階にある予約したスタジオへと階段を急いだ。  スタジオの入り口となる重い扉から中をのぞくと、やはり倫の後ろ姿が見える。 思いっきり扉を開けようとした手が、一瞬止まった。  倫の後ろ姿が普通ではなく、妖しい動きをしているから…  おそるおそる 少しだけ扉を開いてみた。 喘ぐ吐息に混じり自分の名を呼ぶ倫の声に、扉を支える手に力が入らない。  思わずドアノブを放しそうになってしまったが、ゆっくり深呼吸をして扉を閉じる。     …どうしよう  訳がわからないが海自信の心拍も上がってる。 顔面に至っては 多分赤いのだろう。  倫も自分と同じように想いを寄せ、同じような感情を抱いているなんて思いもよらずにいた。  ましてや、倫に限っては自慰などするはずがないと勝手に思い込んでいただけに 衝撃と感激は一塩。      果たして 海はこの後スタジオ内へと入っていけるのか、倫の顔をみることが出来るのか。  まだ だれもしらない。
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