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もう何も出ない。何も残っていない。ブーンは虚ろな目をして、ボーっとしていた。
が、自分の内側から出てきた胃液の海を見ていると、なぜだか無性に悲しく、そして悔しくなってきた。
( ;ω(∴) 「なんで、なんで僕だけが……うっうう……」
ブーンは自分の心境を言葉として紡ぐ。
(#;ω(∴) 「なんで僕だけがこんな目に遇わなきゃならないんだおっ!」
ブーンの怒号は、狭いトイレの中を反響したのち、やがて静かに消えていった。
消えていった言葉と入れ替わりに、小さな嗚咽が、悲しみの調べがトイレに響きだした。
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