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朝の電車。高校以来、私はラッシュの中に居た。
(最悪だ…)
私はげんなりしてた。様々と、ラッシュで受けた嫌な感覚が思い出された。
電車のドアの片隅に寄り掛かり、身を縮めた。苛々してくる。と、その時。
「痛い!」
思わず声を上げてしまった。足を思い切り踏まれたからだ。
ほんの少し電車が揺れ、目の前に居た人が私の足を踏んだのだ。
恥ずかしかった。近くに居る人の視線が痛い。でも痛かったんだよ、私は俯きながら、思う。足元をじっと見た。人の足を踏んで謝らない人間の靴を、恨めしく見つめた。
(高校生かぁ…)
学生靴だった。男の子。顔を上げると、視線がバッチリあった。私は頭に来て、睨む。それでも、その男の子は謝りもしない。逆に、プイッと顔を逸らされた。
また頭に血が上り、私も顔を逸らす。わざと、足をヒールで踏んでやった。
「イテッ!」
してやったり、心の中で舌出して、降りる駅に着いたので、滑る様に降りた。
これが、彼との最悪な出会いだったー。
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