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 制服姿はこうきっちり見ると新鮮。  ファミレスで案内された席に着き、私は怜を初めて同じ目線で見ることが出来た。じーっと眺めてると、メニューを渡された。  「なに?人の事見て。何頼むんだよ」  「待って。ちょっと、もう少し時間頂戴。怜の顔初めて見た気がするから」  私の癖だ。初対面や、興味を持った物を頭に摩り込み入れる。じっくり眺めてると、怜はメニューで顔を隠す。  「はずいからっ。あんま見るな」  「減るもんでもないし。いいじゃないっ」  そう言って、彼の持ってるメニューを取り上げる。  「もう頼むぞっ!」  奢りなしにするぞ、と怜は横を向く。照れ隠しだな。私は鼻歌鳴らし、メニューを見る。  「ケーキ食べたい」  メニューから目だけ覗かせ、おねだりする。怜は、はいはいと言って、近くに居た店員を呼ぶ。  怜は、アイスコーヒーを頼んで、私はチョコレートケーキとオレンジジュースを注文。
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