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「なんだテメェ…」
腕を掴まれた男が少年にガンをとばす。
が、少年は軽く受け流す。
「こいつの連れ。お前らさ」
パキッ…
少年が男の腕をおかしな方へと曲げる。
「ぎゃああぁッッ…!!」
途端に悲鳴がこだまする。
そんな男をみて少年は満足そうに笑う。
「邪魔だから消えろよ。脱臼ぐらいで喚くな、うぜぇ」
男たちは半泣きでその場から逃げていった。
「何勝手なことしてくれてるのバカ硫飛。僕一人でどうにかできた」
言われた少年、硫飛は苦笑する。
「空手黒帯のお前がやると笑いになんねぇから俺がやったんだよ…俺、悠季と郊外行きたくない」
聞いた悠季はきっと硫飛を睨んだ。
「何それ。僕だって」
「違う違う。そうじゃなくて、俺がトイレ行ったのって2、3分。その間にナンパってどうよ」
硫飛は疲れたように顔を歪ませた。
「学ランだとかろうじて男でいけるけど、私服はアウトだな」
「ふん。大きなお世話だよ」
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