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「あ…あれって輝羽さん?」
悠季が指差す方には一人歩く輝羽がいる。
「輝ー羽ーっ」
硫飛が右手をふりながら呼ぶと、気付いてこっちに駆けてきた。
「二人供っ、来てくれたんだ!ありがとう!!」
満面の笑みで迎えられて二人は同時に息をはく。
「その笑顔は誰にでも見せちゃだめだかんな」
悠季は髪を撫でながら、少し真剣に言う。
「??…なんのこと?」
小首を傾げるしぐささえ、殺人じみている。
これは犯されても文句は言えない…。
「もういいよ輝羽さん。
ところで一人みたいだけど世恭は一緒じゃなかったの?」
「お兄ちゃんが話があるからって追い出されちゃったんです。…すごく内容が気になるんですけど…」
少し心配そうにする輝羽を見て、二人は笑う。
「そんな心配しなくてもいいよ。どうせ話は」
「お前ら来てたのか」
いきなり横から現れた存在に悠季は目を見開く。
「ちょっ…世恭、いつからいたの?
もうちょっと普通に出てこれない訳?」
「すまない」
それだけ言うと輝羽の腕を掴んで何処かへ行ってしまった。
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