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しばらく無言だった。
僕の手を握る力は強くて、横顔は険しかった。
しばらく歩いて人が少ない中庭にでた。
そこで世恭さんは僕の手をはなして向き直る。
「世恭さん?」
そっと僕の頬に触れる世恭さんの手は、優しかった…心地よかった。
僕は世恭さんの手に自分の手を重ねた。
「どうしたんですか?…何か、あったんですか…?」
僕が心配になって聞く…
すると気付いたように笑った。
「ごめん、見とれてた」
…ふぇ?
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