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『バタンッ』
「ひっつがやはーん、おるぅ?」
激しく扉を開いたがここ十番隊執務室。
「またか」
「相変わらずのサボり魔が吉良もお気の毒に」
さほど驚く素振りなく、逆に迷惑そうな顔付きにて十番隊長、副隊長はつぶやく。
げんなりした風情で先程の客、いや迷惑千万男には相手せず、各々、中断した作業を再開しだした。
そんな、空気も読まず、いつもの指定席と化したソファーにどかりと座り手にした風呂敷をテーブルに置き結びをほどきはじめたが、三番隊隊長市丸ギン。
鼻歌まじりに
「今日は日番谷はんに、プレゼント持ってきたんや。こないだ、現世に討伐に行った帰りに時間余ってちょっと立ち寄った店でものごっつ可愛ええもん見つけて日番谷はんに似合う思ってん」
嬉々として中身を取りだし二人に見せつけたのは…
「…何の真似だ?」
「プッ!! アッハハハ~
もう、ギンったら、やるわねぇ」
「乱菊もそうおもうやろ?我ながら完璧なチョイスと思たわあ、流石ボクの見立てやなあ、ってなんやの、日番谷はん??、黙ったまんまで、言葉無くすほど嬉しかってんなあ。」
執務机から席を外し、だらりと顔を伏せた状態の日番谷から不気味な霊気が漂い始めた。
「んじゃ、後は任せたわよ、ギン…」
不吉な予感にいち早く部屋から飛び出し逃げた乱菊に言われた言葉に理解出来ない市丸。
そんな彼にゆっくり一歩、また近づく。
その手に光るは愛剣
その姿に、たじろぎあたふためく、市丸。
「ちょっ、なんでそんな斬魄刀振りかざしてますのん、規定違反ちゃいますぅ?」
後ろに逃げようにも壁に当たり、逃げ場がなく、必死に言葉を探す。
「そんな怒らんでもええですやん、何時も、こんな古臭い、着物で飽き飽きで可愛ええ日番谷はんに、ぴったりなコスチュームでっしゃろ?これ着て今夜はいつも以上に萌え~な日番谷はんに
ピーしてピーピーなってもらったら、ボク、死んでもええなぁ~なんてな★
「よーし、今から俺が死なせてやらああ~
『蒼天に座せええ~~』
ドカァアアーン…
「ぎやぁああ~」
刀を戻し氷漬になった市丸を一瞥し何事もなく、さて仕事、仕事と執務机に向かう日番谷隊長であった。
「ギンもバカねぇ、あんなことしたら隊長がどうするかなんて、わかってたはずなのに…でも、似合ってると思うけどな、隊長のメイド姿❤」
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