置き去りの勇者と戦地に向かう二人の勇者

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ヒレルが亡くなった、その晩ボロ家では、各々が自分の辛さと戦っていた カリンツは、ボロ家の窓越しに座り自分の儚さを恨み ラスクは、傷ついた体をベッドで癒すが、その拳は血が出るくらい強く握っていた ブートは、自分が戦いに加勢していれば、最悪ヒレルが亡くなる事は無かったのではと嘆いていた カノンも又、ヒレルの声を思い出しては、頬を涙が伝わった そして、誰一人 言葉を発する事無く夜が開けた 翌朝…皆でヒレルを丁重に葬った 悲しみは、想像以上だが、食は生きていく為に必要不可欠だ ラスクは、治療中 ブートは、見張り役 の為、カリンツが食料確保にする カリンツの食料確保は素晴らしい程の出来栄えだった それから、毎日カリンツ単独の食料確保が始まった ヒレルの死から、約2ヶ月… 外は白銀の世界になる冬を迎えていた そして、ラスクの体調も無事に回復をした ある晩 ラスクがボロ家の見張り役の日が来た その晩は、特に何も無く カリンツは、夢の中へと落ちていった 翌朝…いつも通り、目覚めの早いカリンツは一番最初に起きた だが、カリンツの瞳にラスクとブートの姿が見えない その変わりにテーブルの上に一通の手紙を見つけた そして、カリンツは手紙を手に取り広げた その手紙の内容はこうだった 「お早う カリンツ 僕達は、西の4区に行きます。ヒレルの仇を取りに行くよ。この2ヶ月…カリンツに内緒で二人で決めた事なんだ。カリンツはカノンちゃんとラッシュを連れて何処か遠くで幸せに暮らして…さよなら、今まで…ありがとうね カリンツ ラスク ブート より」 手紙を懐にしまうと カリンツは急いでカノンを起こした カノンに手紙の内容を伝えると、カリンツは少し悩んだ カノンを一人ボロ家に置いて自分だけ、西の4区に向かう事でカノンに何かあったらと… カリンツの焦る仕草に気付いたカノンがこう言った 早く行ってあげて 私は大丈夫だからと もう、仲間の死は嫌だと… カノンの言葉に決心の着いたカリンツは、直ぐ戻るからと、カノンに告げ。急いで西の4区に向かうべくボロ家を後にした ラスクとブートの事を思い、西の4区まで走るカリンツ 嫌な想像だけが頭を過る… 何とか無事にいてくれと、仲間の安否だけを気遣い走るカリンツであった
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