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この世を地獄と言えば良いのか?
貧富の激しさに苦しむ民
人々は皆…欲を求める
最早、獣と呼ぶべきか?或いは畜生と呼ぶべきか?
答えなどは……どうでもいい。
ただ、言える事は…
この世界で少年が生きる事は難儀な事だと…
皆、今を生きる事だけを求める
大人は皆、敵だ
空腹を満たしたければ、人を殺めて迄も食欲を満たし
煩悩を満たしたければ、女を強姦して迄も性欲を満たす
畜生を下回る言葉に出来ないクズ
そんな世界で、自分の身を自分で護り生きる少年達の姿があった
少年達は幼いながらに人の食べ物を奪い
寒さを防ぐ為に衣類を奪い
身の危険が迫る時は…人の命さえ奪った
生きる為に…
自分達が何故、この世に生まれたのか?
憎む相手さえ見つからない雑踏の世界
少年達には、リーダーがいた
幼いながらに仲間3人の面倒を見る
心優しい少年 カリンツ
仲間の3人はこうだ 負けん気の強い ラクス
少々臆病な ヒレル
食いしん坊な ブート
3人は、カリンツと丘山にある廃虚のボロ家に身を寄せ合い暮らしてた
毎日毎日、食欲を満たす為に食料を強奪し
寒い夜は身を寄せ合い共に眠り
毎日毎日が危険と隣り合わせだった
自分達 仲間以外は信じられないと……
嘆くのは当然だ
幼さ故の儚さか否か…
カリンツ達は、毎晩 交代で見張りをしていた。
ある夜、カリンツが見張り番でボロ家の窓から丘下を見ていた
すると、子犬に手を引かれ歩く少女の姿を見つけた
少女の歩く姿は、何故か不自然だった
一歩一歩 地面を確かめるように歩み
時には、転んだりと…
しばらく息を殺して様子を見ていたカリンツ
しかし、その少女の背後に魔の手が迫っていた
欲に飢える獣 大人だ
少女の手を引く子犬が吠えた
ニタニタ笑う一人の大人、目掛けて吠える子犬
少女は、その場に腰を着き震えていた
カリンツは、まだ寝ている、負けん気の強いラスクを起こし
状況を間欠に伝えた
寝ぼけた様子のラスクだか、ようやく状況を理解した
カリンツとラスクは、息を整え
恐怖に震える少女の元へ走っていった
少女を汚そうとする獣の背後に回ると、ラスクが弓矢を引いた
見事、大人の背中を射ぬいた。苦しむ大人の正面にカリンツが立つと剣を抜き大人を一突きした
残酷かも知れないが、この世の定めだ
殺すか殺されるか……
それだけ
護るなら 殺す
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