出逢い~盲目の少女と幼き勇者~

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少女は何が起きたのか分からなかった。 ただ、はっきりしてるのは共に歩んでる子犬が吠えない事と同年代と思える少年の声が聞こえる事 カリンツは、優しく少女の肩を撫でて、もう大丈夫と伝えようとした カリンツの指先が少女の肩に軽く触れた瞬間 少女の体が又も震えた 少女は、恐る恐るカリンツ達に話しかけた 自分に何をするのと 震えた声で カリンツは、直ぐに状況を細かく伝えた 少女をボロ家から見た所からが、カリンツ達が大人を退治する所までを カリンツの話しを聞いて少女は、小さな声でお礼を言った カリンツとラスクは自分の名を少女に告げると、少女も自分の名をカリンツ達に告げた 少女の名は「カノン」 カリンツは、最初にカノンを見て疑問に思っていた事を聞いた 何故、この恐ろしき世の、ましてや夜更けに少女と子犬が歩いていたのか カノンは、小さな涙声を漏らして語った 親に捨てられたと… カリンツ達も親がいないだけに、理由を聞けずにいた だが、カノンは続けて話した 自分が生まれつき盲目で、親のお荷物だからと… こんな世に生まれたからには、稼ぐ能力が無い者はどんな理由が有ろうと捨てられる そう、カリンツ達のような健然者までもが捨てられる世 盲目とは…如何なる事を示すか…分かるだろう… カリンツは、カノンの話す内容で初めて盲目と知ったのだ 初めてカノンを見た時の疑問が解決した 子犬に手を引かれる姿 何度も転ぶ姿 地面を確かめる姿 カノンの悲痛さがカリンツ達に伝わった瞬間だ カリンツは、カノンにボロ家に来るよう告げた 散乱した世に少女 子犬の旅は危険だと だが、カノンは首を立てに振らず カリンツ達に驚くべき言葉を告げる この場所で、お母さんを待ってると カリンツは、感情を高めてカノンに強く話した 自分を捨てた奴を信じるか?自分の事しか考えてない大人を許せるのかと? カリンツの言葉に、これまで囁き声のカノンが顔をカリンツに向け痛々しい声で叫んだ だって、私のお母さんだもんと… さすがのカリンツも、カノンの涙ながらの声に胸を打たれた 悲しい現状にただ、沈黙が走る 何分たっただろうか…カリンツが沈黙を破りカノンに告げる なら、ボロ家で、一緒にお母さんを待ってみたいと 今カリンツに出来る精一杯の助言だった カリンツ言葉にカノンも、心打たれ小さくうなずいた
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