その手に抱きしめる友は、ただ静かにほほえんで……

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長く暗い夜の終わりを告げる合図 朝日だ 目覚めの早いカリンツは、一番最初に起きた その次にカノン ラスク ブート が起きた ラスクとブートは、まだ寝ぼけているが 毎朝恒例の食料確保の番付じゃんけんが始まった 今日のボロ家の見張り役カノンの護り役は、カリンツになった その他のラスク ヒレル ブート は早々に着替えを済ますと食料確保の為ボロ家を後にした ボロ家に残るカリンツとカノンと子犬のラッシュ カリンツは、カノンに まだ親を待つのかを聞いた カリンツの質問にカノンが答えた 答えは前と同じ お母さんに逢いたい 昔みたいに、もう一度 頭をなでて欲しい 髪を編んで欲しいと カノンが親の事を話す時 カノンの声は心の呪文のようだ 胸が痛くなる カリンツとカノンは、その他にも色々な話しをしたのだ 好きな食べ物 将来の夢 カリンツの夢は、この世から大人が居なくなる事 カノンの夢は、両親の愛情が欲しい事 相反する願いだ そんな会話をしていると、食料確保に出かけたはずのブートが息を切らせてボロ家に駆け込んで来た ブートの真っ青な顔を見たカリンツは、何か予期せぬ事が起きたと直感した 全身をガタガタ震わせているブートが、声を震わせカリンツに話す ヒレルが……ラスクが……大人に……助けて、カリンツ……助けて、カリンツと カリンツは、焦る気持ちでいっぱいだったがブートを急かさぬように冷静に話した 場所は、どこなのと カリンツの冷静な言葉にブートも少し落ち着きを取り戻し話す 西の4区レンドル2025番地付近と告げた ブートから場所を聞いたカリンツは、急いで自分の剣を持つと、ラスクとヒレルの場所へとボロ家を後にした ブートから聞いた場所は、ボロ家から走って約10分 カリンツは急いだ ブートの様子から、ただ事じゃないと分かったからだ 息を切らせ 足が悲鳴を上げる そして、要約ブートから聞いた場所に着いた そこには、カリンツの体から活力を奪う光景があった 血まみれで横たわるヒレル姿と 大人3人に囲まれ暴行を受けるラスクの姿だ その姿に、我を忘れたカリンツは、大声を上げ、両手に持っていた剣を振り回し…大人3人に斬りかかった 次の瞬間大人の首が飛ぶ 片手が飛ぶ 体が二つになる 一瞬にして、大人3人が肉片と化した ラスクは、意識が朦朧として喋れない状態だ
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