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10円玉は,ゆっくりYESのところへ動き,そして鳥居のところで止まった。
「……はい,もう離していいよ」
三人は指を離す。
ずっと10円玉に指を乗せ続けるのは,けっこう大変だったので,直樹は軽く腕を回した。
「疲れた~てか,本当に10円玉動いたねぇ」
さおりは嬉しそうに話した。
「そうだねぇ」
彩香も嬉しそうだ。
そんな会話をしながら,俺たちは帰りの支度をした。
「ところでさぁ,直樹は彩香の好きな人知った時,全然反応しなかったね」
さおりが彩香には聞こえないように小声で話しかけてきた。
「あぁ…まぁね…」
「驚かなかったの?」
驚くわけない。
だってあれ動かしてたの俺だし
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