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「ねぇ直樹,こっくりさんしようよ」 中学生にもなって,そんな小学生じみた事を言ってきたのは,俺の幼なじみの彩香だった。 「はぁ?」 彩香は大の怖いもの好きで,よく俺を連れ出して心霊スポットに行く。 今回もそんなノリで俺に言いだしたのだろう。 「こっくりさんはねぇ,私たちの知らない事なんでも知ってるんだよ」 彩香は嬉しそうにそう言った。本当に楽しみなのだろう。 「やだよ」 俺は彩香の方を見ないで,帰りの支度をしながら言った。 「えぇ!なんでぇ!?」 俺は怖いものなんて興味ないし,もう彩香に振り回されるのも嫌だった。
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