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「ぎ、ぎぶぎぶきぶーっ!!」
「反省したか?」
千歳の首を締め上げ、気分が落ち着いてきたところで俺はふと気付いた。
あれ?アイツら居なくねぇ?
「ちょ、えぇぇぇぇえ!!」
「な、何!?」
叫んでしまった所為で千歳が驚いていたがそんなのはどうでも良い。
アイツら、おいていきやがった。
…ってか後五分しかねぇじゃんかよ!?
ぎりぎりで行けるか?
「お前にかまってる暇はない!じゃあな」
まだ状況が把握出来ていない千歳に一声かけ、俺は一気に加速した。
あぁぁぁぁぁあ
遅刻すると副会長にキレられる…!
あの般若の様な顔で二時間説教コースは嫌だ。
いや、本気で。
ちなみに千歳に遅刻することを言わなかったのは俺の"優しさ"だぞ?
「へ?え、ゆっきー!?」
最後に聞こえたのは困惑する千歳の声でした。
さようなら、お前は遅刻組だ。
「間に合うっ…か?」
この角を曲がりきれば目の前に校門が見える。
だが、無情にも時間は後一分弱。
―――――学校特有の鐘の音が響き終わる。
俺は教室の中に居た。
間に合った…っ
汗が額を伝い頬を流れ落ちる。
それを拭いながら屈んでいた背を起こすとムカつく顔をした奴が居ました。
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