桜の木の下で

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「あれ?間にあったんだ」 そう、俺をおいてきやがった祥だ。 その顔は心底残念だ、と言いたそうな顔で。 「お前なぁ…、も、良いや」 何か文句でも言ってやろうかと思ったが、これ以上体力を消費したくないから止めた。 こいつは千歳と違って馬鹿じゃないから面倒なんだよな。 「雪くん、大丈夫ですか?」 走ってきたんですよね?、と焦りながらタオルを恭 が俺に差し出す。 俺は礼を言いつつ、それを受け取った。 「あの…雪くん、千歳くん知りませんか?」 俺がそのタオルで汗を拭いていると周りをきょろきょろ見回す恭が口を開く。 「今頃やっと気づいてんじゃね?遅刻な事に」 俺がそう言ったとき、教室の扉が開き、ボサボサの髪に無精髭を生やした男が入ってきた。 こいつは担任の山崎。 下の名前…は泰明だったか? .
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