二ノ章

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  この瞳は 貴方を映す為に   この唇は 貴方を呼ぶ為に  この声は 貴方に応える為に この耳は 貴方の声を聞く為に この掌は 貴方を安堵させる為に この脚は 貴方の所へ行く為に この頭は 貴方の命を解す為に  この身体は 貴方を包む為に この生命は 貴方を守る為に在る      ねぇ…だから 「どうして…!? どうして庇ったりしたんだ…!」      お願いだから 『…な、か……な………で…』   お願いだから 泣かないで  意識が霞んできているけれど 目の前が霞んできているけれど  貴方の声が遠く感じるけれど    どうか 泣かないで   最期に見るのは 願わくば  貴方の優顔でありますように .
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