一ノ章

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   その瞬間足下の感覚が消えた       嘘だと 冗談だと    皆がすぐに笑うと思いたくて      でも 誰も 笑わない     いつも笑ってるアイツも     冗談の通じないアイツも     掴み所のないアイツさえ     誰もが 歯痒そうに俯く        音が 世界から消えた     世界の色が一瞬で褪せた      身体中の力が抜けて     背中に当たった壁に沿って      ズルズルと座り込む            「 嘘だと 言ってくれ 」              自分にとっての唯一を     失う日が くるだなんて    
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