一ノ章

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  夜空に堕ちていく 幾つもの星々   浮き雲に覆われ 閉ざされる蒼穹   雷伴い 恵みもたらす贖罪の雨を    嵐が攫い 晴れ間を造り出す      全てが眠る夜を迎え   漂う霧が 暁を白い闇で包み込む       古の物語の続きを紡いで    喜びと悲しみをインクにする    躊躇いながらページを進めて     終焉へ また一歩近づく       望んでいた平和な日常を      棄ててしまったのは   いったい 何時だったか     あの笑顔を手放したのは   縋る手を振り払ってしまったのは   繋いでた掌を解いてしまったのは    いったい 何時だっただろう             「 何故…どうして 」             どんなに自分を責めても     あの頃には戻れはしない    戻ることなど 出来はしない              「 やり直せたなら 君と 」             もう一度 あの頃のように     笑い合って 共に歩んで…    それさえ 今はもう叶わない    遠すぎる 安らぎの日溜まり    
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