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響いた銃声 響いた悲鳴
銃声は彼女の慕う彼が撃たれた音
悲鳴は それを見た彼女の
困惑に染まる 絶望の声
彼に駆け寄り抱き締める彼女
あまりにも痛々しすぎる姿に
あまりにも弱々しすぎる姿に
彼女が別の誰かに思えた
『 目を 開けてよ 』
『 お願い 起きて 』
もう その姿を見ていられなくて
彼女を彼から引き離した
驚きに顔を上げた彼女は
涙を溢れさせながら
尚も彼の下へと行こうとする
彼の傍に行かなくてはいけないと
彼の傍に いなくてはいけないと
震える声で 震える身体で
彼の名を呼び 彼の下へ急ぐ
言わなくては いけない
彼女にとって
それが 絶望でしかなくても
「 今は行かない方が良い 」
「 彼は もう 」
崩れ落ちる彼女は泣いた
見ていられない程 痛々しく
普段の彼女では考えられない程に
哀しい程 弱々しく
『 どう、して…? 』
『 いやぁあぁっ!! 』
泣き叫び 受け入れられない彼女
次の目醒めの刻に
彼女の慕う 彼はいない
「 また 明日 」
破られた 約束
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