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飛び乗った電車は、いつの間にか海岸線を走っていた。
どうして?
どうして?
どうして?毎日、毎日苦しいの?
私は毎日、同じ事を自問自答する。
電車は、終点の駅についた。
降りたことのない町…
行く宛もないまま町をさまよった。
道行く人は、みんな楽しそう。
自分でもわからない、どうしても満たされない・・・
「ねえ、一人?」
「・・・・」
「お腹すいてない?」
「・・・・・・」
見上げると、あどけなさが残る20歳くらいの男が私を覗き込んでいた。
「具合悪いの?」
「・・・・・」
「ナンパとかじゃないんだ、そんなところに座り込んでるから気になって。」
「・・・・・」
「怪しいよな、俺、本当にただ気になって。」
あまりに必死に弁解するから、
「具合悪いわけじゃないの。」
「そっか~、よかった。やっと口きいてくれた。
この辺さ、あんまり治安良くないから心配になって」
この人の笑顔って素敵だなって
漠然と思った。
「・・・・」
なんとなく、この人ともう少し話がしてみたい・・・
「ねえ、お腹すいてない?顔色悪いよ。
まあ、俺が腹減ってるんだけど。
言い方を変えよう、そこのケーキ屋のパスタが食いたい。が、しかし、
女性客がとにかく多い、一人で入るのは勇気がいる。
できれば、一緒に入ってもらえると助かります。」
ペッコっと頭を下げられちゃった。
「アハハ。」
笑ったのなんていつぶりだろう、
「ありがとう。一緒にいってもいい?」
もう少しだけ、話がしてみたい。
本当に心からそう思った。
「助かるよ~。朝から何も食べてなくってさ、死ぬかと思った。」
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