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私の名前は佐藤奈菜。
中学校3年。
受験を控えたどこにでもいるようなガキだ。
毎日毎日、同じ事を繰り返す。
義務として繰り返す。
楽しいこと?
なにそれ?美味しいの?
世間でいうひねくれた奴だった。
自分でも自覚している。
「この映画、すっごい泣けたぁ」
クラスの子達が言う映画は、いつの時代も変わらない恋愛映画。
内容はありきたりで、もう終わりが予想つくじゃん。
冷めた心は公にできない。言葉を紡いだ瞬間、私の居場所は無くなるから。
「えー!?マジで!?まだみてなぁい。今度見に行くから内容言わないでよー。」
あたし、役者になれるかも。
周りの目を気にしては、自分の核が見えないくらいの猫を被る。
そうしていたら、平凡な日を暮らしていける。
何の問題もなく、日々が過ぎていく。
そういい聞かせていた。
そう。彼が来るまでは…。
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