はじまりのひ

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岸辺涼が私のことを見た。じっと何かを探るかのように。 その視線はとても不快だった。 「どうしたの?岸辺君?あ!!!あたし佐藤奈菜ね!!!よろしくッ!!!」 作り笑顔、絡みやすい口調、意識をして話し掛けた。 そんなあたしを見て今までの視線は緩められ、にっこりと笑って岸辺君はよろしくと返した。 あ…。この人も同じ人種だ。 本能的に察した。 笑い方一つでわかる。 自分と同じって事。 だからそれ以上話さなかった。 岸辺涼とはそれからしばらく話すことはなかった。 .
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