2009.1.17

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そして気が付くと、地球全体が私の作った芸術作品で埋もれていた。木の1本1本は丁寧に削り出され異形の人形と化していた。海の底には鉛で出来た人形やミリ単位で絵を削り込まれた鉄球が底をうようよと泳いでいた。 街や道路は緑や青、ピンクなど様々な色で塗り尽くされた上に、その色に負けない様々な色のペンキでナスカの地上絵を手のひらサイズに縮小したような絵で埋め尽くされていた。 端から見たら異様とも思えるその光景は、夢の中の僕にとってはまさに理想の世界だった。 ピンク色のペンキを頭からかぶり、全身がピンク色に染まった自らの体にタトゥーのような装飾を施した時は、絶頂にも似た快感を覚えた。 世界中に私を余す所無く刻みつけた。いったい何十年経ったんだろうと考えながら、コンクリートの上に仰向けに横になった。気付くともう空は真っ暗だったが、この町は黄色と紫の発光塗料で余すところ無く装飾していたから、特に暗いとは感じなかった。 体中が重たくなってきた。興奮していてわからないがたぶん眠いのだろう。私は重力に体を預けた。辺り一面の黄色や紫の輝きが私の体の中に入り込んでくる。そっと瞼を閉じると、外はもう夕方だった。 それと同時に起床。気分が良い
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