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教会にいた。
昔行ったことがあるいかにもな教会で、昔に聞いた讃美歌を盛大に歌っていた。
隣には昔の恋人がいた。恋人と讃美歌に包まれてたわいもない話をしていると心が清められ、愛に溢れていく。
「仕方がないのよ」と彼女は笑顔で私に話す。何だか非常に虚しくなった。
遠くで大切な人が死んだ。そんな気がしたからだ。嫌な記憶がフラッシュバックのように頭の中を駆け巡っていく。
次第に美しかった讃美歌が形を変えて激しくなっていく。気が付けばブラックサバスのスノーブラインドを修道女がシャウトしていた。
今思い出すと、神に仕える人間がブラックサバスを歌うなんて非常にブラックなジョークにも思えるが、夢の中の私はそれを感慨深く聴いていた。
音に包まれよくわからなくなっていった頃、ふと気が付くとどこかステージの上に立っていて、うねるような観客の喝采を浴びていた。蒸せ返るような熱気、照明の香り。懐かしい光景に涙が出そうになる。
そんな中私はニルヴァーナのブリードを掻き鳴らす。歌い出すと同時に観客が貼り付けたような笑顔の仮面を付け、一斉に私を見ていた。
ここにいる全員の刺すような視線を感じながら、世界は暗転していく。底無し沼に落ちていくように、闇に溶け込んでいった。
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