第参章【鏡魔の僕】第壱幕

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そして霊夢は魔理沙の後ろに付き、辺りを詳しく観察し───   「───見つけた!! 魔理沙!!向こうの方へ!!」   霊夢は魔理沙の箒の後ろに横乗りし、或る方向を指し示す。   「がってんだ!!」   その方向は───さっきまで動いていた霊夢達につられ一直線に弾幕が開けていた。   「フルスロットルで行くぜ!! 霊夢!!振り落とされんなよ!!」   「オッケー!!」   霊夢は魔理沙の腰に手を回し、急加速に耐えるようにした。   (あ、柔らかい……役得役得)   魔理沙が背中に霊夢の感触を楽しんだ気配を感じ取ったのか、霊夢は怪訝な顔をする。   「何ぼさっとしてんのよ!? GOよ!!GO!!」   「わ、分かってるぜ!!」   その言葉の途中で魔理沙は自分の最高速度で霊夢の差した方へ抜けた。   「よし!あとはそのまま下にゆっくりね」   「ああ、分かったぜ」   魔理沙が駆け抜けた軌跡は空気の流れを変え、一陣の辻風を起こす。 必然、軽く風に流されやすい弾幕はその方向へつられてゆき、そのまま舞台から退場した。   「これで一枚目のスペルは攻略したぜ?」   「私の策のおかげでしょう?」   それを感じた千歳は次のスペルの発動を宣言する。
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