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男1
「だから俺は『無理だ!!』って言ったろうが、全く焦ったって良い事なんかあるかよ」
「お前って奴は『大佐』だってのによ、良い事と悪い事の区別もつかねぇのか!?」
呆れ顔で腕組みする女性の様な長髪に碧眼の男
『ジェイク・ブラッドマン』
エアリスとは『喧嘩する程仲が良い』の言葉通りに痴話喧嘩が絶えない関係ではあるが、周囲の噂程の恋仲には発展しておらず『友達以上恋人未満』でその関係は未だに『幼馴染』で止まっている
しかし、二人で一緒にいる事が多くある為に周囲をヤキモキさせているので噂に事欠かないが、そのほとんどが痴話喧嘩でエアリスを怒らせてボコボコにされている所でネタに使われる事が多い
エアリス
「分かるわよ!!いっつも私を『子供扱い』して」
ジェイク
「いくら『新造艦』ってもな、まともに整備もしないで出撃なんてしたら救援する前に死ぬじゃねぇか!!」
救援の為に出撃準備は進むが不運が重なり、待機のまま待たされてエアリスのイライラが爆発、この押問答となり周りからは『いつもの』となった痴話喧嘩だが、どうやら本当に事態は急を要する様でエアリスは食い下がる
エアリス
「そんなに言うなら聞くけど、火星基地軌道上の探査衛星5機が護衛艦隊の防戦虚しく、たった30分で半数も撃墜(おと)されて」
「アメリアが月軌道で合流するはずの『月面防衛艦隊』から『火星と合流ならず、救援求む』って先に防衛戦を開始したっきり『通信不能』」
「撃墜(おと)された探査衛星から受信した最後の映像データ観たよね!?『火星基地の吹っ飛ぶ瞬間』が残されてたってのに、あんた出撃(で)る気ない訳!?」
エアリスの上げた報告を聞いて、センター内もジェイクの一声で厳戒態勢を敷いたが創設以来初の事態、動揺を隠せない局員が多く遅々として進まない
ジェイク
「俺だってここの指揮がなきゃ飛び出してるよ、だからお前の気持ちも分からなくもねぇが、少しは落ち着けって『今すぐエルシオンで出撃(で)る』なんて無茶だ!!」
「アメリアも合流してるはずだ、今すぐに吹雪の中を出撃(で)なくても弱まるまで待っても遅くはない……言ったろ!?整備が終わるのにまだ掛かるんだよ」
「後、30……いや20分で良い、待ってくれ『最高の艦』に乗せてやる」
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