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4月
新学期の時期である。
「おはよー!」
塚本天満は目の前を歩いていた沢近愛理と高野晶に声をかける。
その声に気がついて振り返り挨拶をして合流した。
「烏丸君と同じクラスになれるといいなぁ」
一人ドキドキしながら歩く天満。
天満は烏丸大路という男の子が好きなのだ。
三日前から烏丸と同じクラスになれる事を願っている。
三人はクラス替えの紙が張ってあるところに着くと一足早く周防美琴が着いていた。
背が高いためにすぐにわかる。天満は元気良く周防に話し掛ける。
「ミコちゃんおはよー!」
その声を聞き後ろを振り向き明るい顔で答える。
「オッス塚本!みんな揃ったな」
沢近と高野もクラス表を見た。
「美琴はもう見た?」
「いや、みんなで見た方が楽しみとワクワクが増すだろ?」
と笑いながら周防は答える。
沢近は新しい中学校の一年生のクラス替えの発表じゃあるまいしと心の中で思っていた。
が………。
「新しい中学校の一年生のクラス替えの発表じゃあるまいし…って愛理が思ってるわよ」
高野にずばり心を読まれ沢近はかなり驚きながら、
「なんでわかったのよ!?」
沢近は高野の方を見ながら開いた口が塞がっていない状態だ。
「そこは否定しないんだな…」
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