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「そっか…。」
「早く謝りなよ。
んで、仲直りしな?」
春は優しい口調で言う。
「分かってるけど…
謝りづらいんだもん。」
むぅ、と横を向く。
春は苦笑を浮かべるだけだった。
「春。今日はありがと。」
「いーえ。
早く仲直りしなよ?
後の方がもっと謝りづらく
なるから。」
「……はぁい。」
春と別れて、家へむかう。
私と優志さんの住む家。
「ただいま。」
しーん。
返事がない。
「…いない。」
その日、優志さんは帰って
こなかった。
連絡もないなんて初めてで。
『俺も勝手にするから。』
不安が広がった。
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