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「僕なんて勉強してもダメなのにさ…」
「そんなことないよ。要領が悪いだけっしょ?」
洋一はベッドから上半身を起こすと、大介のノートをのぞきこんだ。
大介は英語の勉強中らしく、英文がびっしりと並んでいる。
隣に置かれている教科書には赤線や蛍光マーカーに加え、小さな文字でいろいろと書き込まれている。
いろいろと書き込みすぎてるからどれが大事なのか分かんなくなるんだよ…
洋一は無言で教科書を手に取る。そして、必要なところだけ印を付けた。
「よーちゃん、ありがと」
洋一に書かれた印を目で追いながら、大介は嬉しそうに言った。
「俺もまだ寝ないから、分かんないとこあったら聞けよ」
「うん」
大介はまた、シャーペンを動かし始める。
洋一もまた、横になりさっきも見ていたはずの雑誌に手を伸ばした。
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