『懐妊』

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所変わって、ここはめでたく妊娠が判明した雅の子宮の中。 💓ドクンッ…ドクンッ… 胎児の体全体には、既に母体の鼓動が徐々に伝わり始めている。 それはまだ小さな小さな胎児にとっては、決して安らかな環境とは言えないはずで… 日々繰り返される『ザーッザーッ』と、絶え間なく続く雑音に『ユラユラ』と、体が激しく上下に揺れる感覚。 これはあくまで作者の想像ばかりで、誠に申し訳けないのですが、続けさせて頂きます。〓 最近では『ゴーッゴーッ』と、川の水が激しく流れるような音までもが、ハッキリと分かるようになり… 不思議なことに、まだ子宮に着床してから僅かに3ヶ月の胎児の脳は、あろうことか早々と覚醒し、動きを始めたのである。 😱(ん…何処だ。ここは…?) 当たり前だが胎児の目は、流石にまだ何かを見る事はおろか、瞼を開く事さえも出来ない。 しかし…その小さな脳だけは、確実に何かを感じ始めていたのである。 ところで一旦、話は変わりますが… 人間の自意識の目覚めとは、どんな感じなのでしょう…? 私自身、幼い頃の記憶などあやふや。 いったい何歳の頃を境に、自我が芽生えたなど、今となっては知る余地も無い訳で… 常識的には、妊娠わずか3ヶ月余りの胎児が、事もあろうに意識が目覚めるなんて… そんな馬鹿げた事は百も承知の上で、このお話を書いている次第。 でも皆さん。 そこは是非、物語として了承して頂きたい。〓 それに専門家でも無く、勉強不足の作者には生命の神秘についてなど、深過ぎて想像も及ばないので…💦 甚だ恐縮ではありますが、話を前へと進めさせて頂きます。😁 兎にも角にも… 雅の子宮の中では、新しい命が着実に成長を始め出したのであった。 因みにではあるが、妊娠3ヶ月を過ぎた頃の胎児は、既に人としての形が形成されているらしい。 生命って、本当に不思議だね。😃
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