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あの近親相姦未遂から二日が経過した。別に喧嘩したとかじゃないのに、なんか非常に気まずい状況だ。
俺は悩んでいる。優しさに飢えていたシンジ君と同じくらい悩んでいる。いや、あの作品の事は語るまい。一日が終わってしまう。
俺が悩み悩んでハゲそうになっていると、控えめなノック音が響いた。親か?
「開いてるよー」
応答すると、扉が開き、俺は驚愕した。
微塵も元気のない乙葉が現れた。と、同時にオムライスらしき匂いが鼻を刺激した。
乙葉は皿を持っており、その上には迫力あるオムライスが乗っている。
「あの、お兄ちゃん……。オムライス作ったんだ。食べてくれる?」
「あ、あぁ。了解した」
妹はベットに座る俺に近付き、オムライスとスプーンを差し出してきた。
見た目は悪くないオムライスには、ケチャップで『ごめん』と書かれている。
「なんで、なんで謝る?」
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