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「だいたい、お前彼氏とかいないのか?」
「……いないよ。好きな人ならいるけど」
何故だろう。目の前にいる妹の頬が少しだけ赤い。恥ずかしそうに上目遣いをしている。便秘と風邪に襲われたと考えるのが自然だろう。
「そうか。恋は大事だぞ」
「え? お兄ちゃんがそんな事言うの?」
「どういう意味だ?」
「あ、いや。だって、この前さ……。『鬱! 童貞ニート団』聴いて泣いてたじゃん……」
痛々しい部分を突かれた。ちなみに『鬱! 童貞ニート団』は某ゲームの「走れ~高速の~」で有名な歌の替え歌。童貞の戦いを赤裸々に歌っている名曲である。
「そ、それはだな。目にホコリが入ってしまって……」
「しまって?」
ニヤニヤとわざとらしく聞き返す小悪魔的な乙葉。あまりの顔の近さに下半身が場違いな状態になってしまった事に猛省だ。
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