乙葉

6/10
前へ
/59ページ
次へ
    そして俺は、はっきりと気付いた。いや、前から気付いていたが、無理に否定していた。     俺は乙葉に恋をしていたんだ。     が、もう遅いらしい。妹は好きな人がいるわけで、それはたぶんどっかのイケメンであって、三年も待てないから告白しようって事だな?     なるほど、涙が出そうだ。     「どしたのお兄ちゃん?」     「フッ、なんでもないさ。乙葉、頑張れよ」     あぁ悲しい。今日はモバゲーを荒そう。そりゃもう大胆に。     「ねぇお兄ちゃん。一度しか言わないからよく聞いてね」     「はいはい、ワロスワロス」     「好きだよ」     「そうか。よっちゃんイカをそこまで好いているのか」     「違うっ!!」     ん? 少し思考がバーストしてたが、今幻聴が聞こえたような……。    
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4463人が本棚に入れています
本棚に追加