乙葉

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    激しいキスをしながら、乙葉の上着を脱がそうとする。     脱がす途中でキスしながらじゃ脱がせない事に気付き、とりあえず唇を離した。     「お兄ちゃん……」     そう呟いた乙葉の声は泣いていて、顔は笑っていた。     複雑な顔で続けて放った言葉は、とても笑えるものではなかった。     「これ、なんてエロゲだろうね?」     寒気がした。俺は何をやっているのだろう。     精一杯に強がる乙葉を見て、俺は性欲の呪縛に解放され……るはずがない。     でも、俺は冷静になった。焦る事はない。俺達はずっと一緒なんだ。     そう思い、俺は乙葉の問いに、こう答えた。         「ヲタクの妹に悩む俺……なんてどうだ? 売れそうなエロゲじゃないか」     乙葉は頬を膨らませ、     「なにそれー。売れないよ! だいたい、私ヲタクじゃないもん!」     「お前がヲタクじゃなかったらなんなんだ」     「腐女子だよ?」     そんな某人気少女漫画の脇役が言う「わざとだよ?」っぽく言うなし!    
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