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「ネクスト・ゲーム」
の声を聞いた寿久子は、チップを一つにまとめて、
「今度は、私も参加させてもらうわ。二回続けて『0』が出るなんてありえないから」
と、身を乗り出した。
ディーラー、山口ひとみ、
プレーヤー、寿久子、
二人の視線が、一瞬、テーブルの上で鋭く交差する。
ボールが、ルーレットのへりを走り出す。
数秒ほど考えたあと、
「レッド!」
寿久子は、持っているすべてのダイヤのチップを倍返しの赤に置いた。
勢いを失ったボールが沈んだのは『赤の21』だった。
二倍に増えたダイヤが、寿久子の前に戻された。
「ネクスト・ゲーム」
余勢を駆って、寿久子は再度、全額を赤に賭けた。
………………………………カツン。
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