8890人が本棚に入れています
本棚に追加
カラ、カラ、カラ
カラ……カラ……
………………………………
全ての客、全てのスタッフの、視線が小さな象牙球の軌跡に集中する。
勢いを失ったボールが、へりから回転するホイールに滑り落ちた。
カタン、
カタン、カタン、
………………………………ぽとり。
ボールが落ち着いたのは……………………
『赤の7』だった。
テーブルがどっと湧いた。
山口ひとみは、敗北感を感じながら、たんたんとプレーヤーたちの前に、二倍のチップを戻す。
寿久子の前には、ひときわ大きなダイヤのチップが、うずたかく積み上げられた。
最初のコメントを投稿しよう!