小田切春

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「アキ!遅刻するよ」 何度か揺さぶってみてもアキは『う~ん…』と唸って布団に潜ったり、寝返りしたりするだけだ 「昨日は夜更かしさせすぎたかな?」 いつもは起こさなくても一人で起きてくる アキの両親が亡くなってからは俺が親代わりも同然 だからアキの面倒は俺が見なきゃいけないと思っている こんな些細な寝坊さえ注意が足りなかったと責任を感じてしまう 自分でもかなりの過保護だなって思うよ かと言ってこのままアキを寝かせておくわけには行かない 「アキ!起きて、アキ!」 「アキ!遅刻するよ!」 先ほどより少し激しく揺さぶる 「……春」 アキは薄く目を開けるもこれは… 「アキ、寝惚けてる?」 「…ない、起きてる」 でも確実に寝惚けているね、アキ… 目を覚まさせるためにはこれかな… 「……アキ」 「8時、過ぎてるよ」    
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