ハルの愛 アキの恋

夢の中の現実

懐かしい、夢を見た

夢、というより実際に起きた光景だから、記憶、と言った方が正しいのかもしれない

『お金の問題なら心配ありません！叔母達も仕送してくれると言っていますし』

『でもねぇ…、あなたもまだ大学生、アキだって中学生じゃない。あなたたちだけで生活するなんて…』

これは…、あれだ…俺の両親が事故で死んだときのこと…
確か…2年前…？いや、もう3年か…

『俺のとこなら、アキの学校も近いから転校しなくて済みますし！』

俺の両親は飛行機の事故で死んだ
夫婦水入らずで旅行に出掛けた矢先、運悪くも両親の乗った飛行機が墜落したのだった

『でもねぇ…』

両親のいなくなった俺が、何処へ引き取られるかの言い合い
俺の発言なしの言い合い
俺は後ろから言い合ってる姿を見てるだけ…

『そもそもアキ本人の意見を聞いてないじゃないですか！』

…じゃ、なくなった

『アキ。アキはどうしたい？』

俺の意見などもうとっくに決まっているよ